和風モダンな無添加しっくいの家
【京都市下京区】
お話を頂いた時にはもうお土地を新規で購入済みでおられて、今回はそのお土地に相応しい建築物を、というところからのスタートでした。
場所にして、古くからの町家が立ち並ぶ地域で、地域の景観を無視して建てることは非常にもったいない地域でした。
第一段階の構想は町家、通り土間、また「らしくも」間口の小さな形状の敷地であったため、坪庭を計画の初めの構想としていました。
今までに済んでおられたおうち自体も非常に広々としていて、「敷地のせいで狭くなった」と、思って頂かないように視線の動きや光の操作で、実際の平米数を超える空間の演出にお施主様共々取り組みをさせて頂きました。
内装は床にメープル材を中心に、壁は無着色の漆喰で明るく表現しています。
外観についてはなるべく重厚感を持たせて立派な佇まいを目指しました。
結果、前面道路からは三階建てに見えない外観に辿り着きました。
主な仕上げ材として漆喰をお選び頂き、他にはない白さの中に木色がきれいに映えています。
漆喰のテクスチャーも手すり下に仕込んだ間接照明のおかげで存在感を増しました。
外の空間を頭で意識することにより、空間の拡大を狙ったライティング計画。


トイレです。
和紙の向こうに間接照明をあしらって
少し幻想的な照明を造作。
リビングの天井にはヘム材を張り、全体と空間を違えています。
同じ位置で床を落とすことによりLDKを二つの連続する空間として構成しました。
また奥に長い計画となりましたが、漆喰の光を乱反射させる性質より廊下部分も明るくなりました。
キッチンとパントリーです。
キッチンはパナソニックのL-class、三連コンロを。
パントリーの造作に既製品は使わず、全て打合せの上で出来上がっております。
シナの造作扉で、使用しないときはすっきり隠せます。
「動かないオーダー家具」です。
二階にあるセカンドラバトリー
開きます。電動歯ブラシなどの充電の際に線が見えないように。
鏡が窓と位置を取り合いになったので壁面収納の扉を開くと鏡が出てくる仕掛けです。

フローリング下にコンセントを設定し、フタを造作することにより充電器などもすっきり隠せます。
建具はフラッシュ戸で、レールもなし。浮いているような感覚で。

fin..