気密性能について④

前回の続き・・・ 4部作になってしまいました!
気密性能を上げると何がいいのか「c.ひとの健康に関すること」


c.ひとの健康に関すること


人の健康に関することとして、

まず断熱性能ありきの内容になりますが、気密性能が高いと、

暖房している部屋とそれ以外の部屋の温度差が小さくなります。

 

日本でヒートショックが原因でなくなられる方は年間約一万人を記録すると言われております。

ヒートショックとは、一般的に10度以上の急激な温度変化に対して体内の血圧が一気に上昇、

その結果として血管や意識に支障を来たしたり、最悪の場合死に至る症状です。

 

根本的な改善は気密工事だけでは不可能と言えますが、

解決に際し、必要なエネルギーを軽減したりと、

対策をする上で必須の内容になってくると考えられます。

 

 

また、他にも人の健康に気密性が関与することはございまして、

計画換気と言われる内容に関係しています。

 

24時間換気」と言う言葉を、家造りを検討しておられる方なら聞かれたことがあると思いますが、

そもそもこの法律はまさしく「ひとの健康を守る」為の法律なのです。

 

別のお話になりますが、昨今住宅建材や新素材などが流行、流通、一般化する中で、

その新しい素材(石油製品やシンナー系接着剤など)に対するアレルギー反応が確認され、

数多くの疾患者を出しています。


一般的には「シックハウス症候群」と言われている疾患です。

医療の内容については私から語ることは出来ませんが、

この疾患に対して国が定めた制度が「24時間換気」なのです。

 

24時間換気の意図としては、2時間に一回、室内の空気が丸ごと外部の空気と入れ替わることで

住宅に使用されている危険な物質(TVOC)を外部に排出、室内の空気環境を保全しようという物です。

 

もちろん、正確に2時間に一回入れ替わる事が望ましいので、

設計段階では経路の確認や空気の流れ、排気量や給気量の計算をして個数と設置場所と決定していきます。

(「法律上どこかに付いていればいいのです」というのは非常に不親切かつ不適切な法解釈ですので気をつけてください)

 

ですが、実はこの計画換気が計算通りに稼働している建物は非常に少ないのです。

 

換気方法には3種類あり、

・第一種換気

・第二種換気

・第三種換気

と、それぞれ呼びます。


これら3種類は、換気扇をどこに付けるかにより分類されています。


まず一般的によく使用される第三種換気とは、

排気する換気扇だけを設置し、給気をプロペラの付いていない自然換気(給気口)に

任せるという内容です。


住宅には基本的に使用しませんが、第二種換気というのはその逆で、給気のみを換気扇で行い

排気する部分は排気口が開いているといった内容です。

 

第一種換気は、給気、排気ともに換気扇で行うものです。

 

第二種と第三種については室内の気圧を利用した換気方法であることから、

例えばどこかの窓が開いていたりすると計画通り給排気経路の空気を入れ換えてくれません。


第一種換気に関しては、計画換気の経路は通りませんが、強制的に空気を入れて、

また、出しておりますので換気扇廻りの空気は移動してくれるような状態になります。

 

さて、今はイメージをしやすいように窓をあけましたが、

気密がとれていないと言うことは、小さな窓が開いているのとほぼ同じ解釈になります。

もっと悪いのはその隙間がどこかしこに存在するため、排気用の換気扇を回して換気をしようとしても、

入れ替わるのは換気扇の廻りの空気だけです。

 

これでは折角経路も計算して空気の流れを設計したのに全く換気が出来ません。

 

隙間があるなら換気扇で換気できなくても大丈夫じゃないのかと言われると、

確かにそうかもしれません。

 

歴史的建造物のように、冬でも通風を取っているような状態の建物であれば、

空気が停滞して人体に被害を出すということは考えにくいでしょう。

そういった建物は通風をすることによって構造材の保護もしておりますので、

一石二鳥かも知れませんね。

 

ただし、その場合は相応の隙間が必要になってくるため、冬場の寒さや、夏場の暑さについては

堪え忍ぶ覚悟をしなくてはなりません。

 

 

 

ここまでお話をして何なのですが、

気密の数値は高ければそれでOKと言うことではありません。

数値だけを追いかけるのであれば、気密用部材や性能の安定した吹き込み断熱材など、使いさえすればそうなるというような商品を使えばそれ相応の数値まで引き上げることが出来るでしょう。

 

そこに意味がないわけではありませんが、結局のところC値は「建物全体」を通した隙間の大きさであるため、局所的に隙間の多い、気密のとれていない部屋や箇所があるとなると、数値はよくても「快適」や「健康」には結びつきません。

 

気密工事は決して簡単な工事ではなく、現場監督者と現場施工者の高いスキルと経験、また高い意識と丁寧な仕事が要求されます。

 

気密工事をすれば、気密住宅になるわけではありませんので、

その部分に関して、こだわりがおありであれば注意してください。

 

「気密工事オプション対応」という様な施工者に気密工事は出来ないと言っても過言ではありません。

 

 

以上、長くなりましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。

まだまだお話したいことはたくさんございますが、それはお会いした時に・・・


以上、増田でした!



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